皆さんこんにちは、ふみです!
今回の動画は貿易実務をしている上でイレギュラーが発生した場合、どう対処していくのかということについてお話ししていきます。
貿易事務は海外と仕事しているので、取引先の国事情や文化に振り回されたりすることがしょっちゅうあるんですね。
なので今回はメーカー貿易事務のよくあるイレギュラーに対しての傾向と対策についてお伝えしていきます。良くあるイレギュラーはもはやイレギュラーではないのかもしれませんが、私が行う対処法を皆さんへお教えしたいと思います。
では今回お話しする内容はこちらです!
1. 納期遅れに対する対処法
船が遅れたら
生産が遅れたら2. 生産・不良品に対する対処法
量産品が指示通りでない場合
届いた商品が不良品だった場合
基本的に、貿易事務員の最大の敵は「納期遅れと不良品」です。
この2つはいろいろな要因が何度も重なって起こる事が多く、しかも海外ではいつも毎回びっくりするような事が起きるので、毎日新しい発見があるんですね。
その時その時で対応しなければいけないのが貿易事務員の仕事ですので、今日はこの2つについて詳しくお話ししていきたいと思います。
では早速みていきましょう。
1、船が遅れたら
本船遅延は、とても良くある事ですね。船は大体遅れると思っていいでしょう。
船が遅れる場合は、大抵の場合は天候のせいが多いですがそのほかだと、港の混雑状況、船の事故や故障、累積遅延などがあります。
船が遅れると、天気を良くしたり、奇跡的に問題が解決して船が早く進まない限りどうしようもないのですが、この場合の対処方法は船が着いたときに何をするかを考える必要があります。
船が遅れた場合、まずフォワーダーさんに通関やトラックの手配を頼んでいる場合は、できるだけ早められるかを交渉してみましょう。
もしかしたら、予約されていた他社用のトラックがキャンセルされている場合があったり、通関手配も早まる可能性があります。
実際はなかなか、通関作業が早まったりトラックが空いていると言うことは少ないのですがダメもとで交渉してみる価値はありますのでお願いをする事は多いんですね。
基本的には余裕を持った納期をとる事が一番いいのですがお客さんのために商売をしていると、お客さんからの要望をどうしても飲まなければいけない時がありますよね。
本当はあまりなんでもできるという表現は避けたいですし、お客さんにもものづくりには時間がかかるという事を理解して欲しいのが一番ですが実際問題難しいですよね。
フォワーダーさんに頼んでみても無理そうでしたら諦めるしかありませんが、
その他の対処方法として荷主としてできる事は自社で通関作業及びトラック手配をする方法があります。
フォワーダーさんには途中までやって貰って大変申し訳ないですが、緊急の場合は船が到着したあとのことを自社で全てやる事も可能なんですね。
船が着いたらまず行うことは通関作業です。通関は必要書類があれば自ら指定の税関へ赴き、自分たちで自社製品を通関する事もできます。
こちらは特に通関士の資格もなく、誰でも行う事ができるんですね。
また通関が終わって倉庫から商品を持ってくる事も特定の運送会社さんをスポットで依頼し、ドライバーさんとトラックを手配する事もできます。
貨物の引き取り時にドライバーさんとトラックが空いていれば、貨物を取りに行ってくれる事もできるんですね。
フォワーダーさんに頼む場合は通関に少し時間がかかってしまったり、またトラックも時期や状況によってすぐに手配できない事もありますが、自社で通関する場合は当日の1,2時間で通関は終了し、また運送会社さんのトラックに空きがあれば当日の引き取り手配も可能になります。
ちなみに、トラックの料金はフォワーダーさん経由より1.5割増しくらいにはなりますので注意が必要です。こうすることにより、いつもより早めに貨物を受けとることは可能なんですね。
ですがこれは少しフォワーダーさんに失礼な行動になってしまいますので、あくまでも緊急時の場合です。どうしてもという以外は極力フォワーダーさん経由での手配はドアドアでお任せしましょう。
2、工場の納期が遅れたら
次に工場自体の納期が遅れる場合です。他国では日本ではありえない事がとても良く起こります。
例えば、田舎の工場で工員の人たちが稲刈りの時期だからしばらく生産が止まるとか、工員さんたちがデモに参加していて生産が進まないとか、国のお祭りで戻ってこないとか、何もないのに、なぜか工員さんたちがこないなど。
発展途上国ではこのような事が良く起こるんですね。
こういう場合は、早くしてくれと頼んでもなかなかやってくれないし、窓口の人もきっとどうする事もできないでしょう。しっかりとした契約を結んでいても平気で約束を破る事が起こるのが海外なんですね。
その場合の対処方法は、お金を支払わないと担当者に伝える事です。
これが一番良く効きます。
これでは契約と違う!と連絡する且つ、そのような商品は求めていないから契約自体なかったことにします、なのでキャンセルしてくださいと言うと意外とやってくれたりもします。
なぜなら、ここまでやって生産をキャンセルされたら向こうも大幅なロスになってしまいますね。
部材を用意して生産して人件費を払って結局キャンセルになったら工場は大変です。
実際そんなことはしないですが、契約と違うと言うことをはっきりといい、これでは支払いができないと誠意を持って伝えると、窓口の方は工場長と相談してみます。
と連絡をとってくれる事もあります。実際向こうが悪いのだから納期に間に合わせることは当たり前なのですが日本とは違うんだと頭に入れて、感情的にならず冷静に対処する事がとても重要なんですね。
また、生産が終わってもまだ納期に間に合うのが厳しいようでしたら、少し高いですが全量ではなく少しでも航空便で輸入する方法もあります。もし少しの商品でもいいのであれば30カートンのうち、5カートンだけを先にエアで送るなど臨機応変に対応してみるのも一つの手ですね。
そして、さらに他の会社で商品を生産して出荷時期が近ければ、その会社に荷物を送って一緒にコンテナの中に入れて輸出すると言う手があります。
船積書類も少し書き加えなければいけませんが、少量の貨物、またその会社がその貨物の輸出に対して問題がなければ工場も快く出荷してくれる事も多いです。
これは出荷時期が被らなければうまくできませんがいろんな方向にアンテナを伸ばしておけば気付ける事も多いので目を凝らして仕事をしてみるのがおすすめです。
またさらに日本に貨物が到着した時、もし運転できるのであれば、自社へ到着後お客さんへそのまま自分の足で納品する事もできますのでいろんな可能性を考えてみるのが大事です。
納期遅れが貿易事務をしている上で一番避けたい事ですよね。
上記の事はできるだけ、免れたい事例ですので余裕のある納期管理を心がけましょう。
次に生産時に良く起こるイレギュラーについてお話しいたします。
1、量産品が指示通りに作られていない
量産品がお互い納得したサンプル通りに作られていない事が、生産途中で発覚する事があります。それは生産ラインを確認するときに、写真を送ってもらったりするときに気づく事が多いです。
写真を送ってもらうと、量産品が最終サンプルと違うと言う事が良くあります。
そういった場合、生産途中でいきなりやり直し!となるのも工場の人たちは納得する事があまりなく、なんだかんだで言い訳をしてその生産押し通そうとしてきます。
こう言う場合は、一番仲のいいビジネスパートナーに協力してもらいましょう。
私の取引先は中国がメインで、中国には仲のいいビジネスパートナーが数人います。
多少の人件費はかかりますが、その人をその工場へ派遣することによって交渉する力がグンと上がります。同じ国の人同士はお互いに話し合いやすいですし、性格もわかっていますので、できるだけいい方向に進ませる事が可能なんですね。
なので、できるだけ協力工場の方とは仲良くしておくのがベストです!WechatやQQ、など今はSNSで気軽に連絡を取れますので、できるだけ連絡をまめにしておきましょう。人によっては電話してあげるとか、いつもお世話になっているからやってあげるよ!と快く引き受けてくれる事も多いんですね。
2、届いた商品が不良品だった
届いた商品に不良が出てしまった場合は、どんな契約を最初にかわしているかにもよりますが、不良が大量に出た場合は相手側に作り直しの要求をする事も可能です。
どうしても作り直しを渋ってくる相手もいますが、不良の画像をメールで送ったり、実際に着払いで不良品を向こうに送ると、ある程度は作り直してくれる事があります。
仕方ないと言う気持ちを押し殺して、これはビジネス上の取引なんだと毅然な態度で相手にものおうじせず、コミュニケーションをとりましょう。
また弊社では基本的に2%以上の不良が出た場合は、作り直しをするのが基本となっているので、生産前にお互いに不良が出たらどうするかを確認しておく必要があります。
一番いいのは、不良が出ることを見越して多めにオーダーをしておくことです。利益など会社と確認する必要がありますので、慎重にいくつ発注するかを確認しておきましょう。
以上、今回は納期遅れや不良品に対する対処方法をご説明いたしました。
一番重要なのは、イレギュラーが発生する事も考えて先回りをして手を打っておく事です。 何が起こるのかがわからないのが海外なので毎日経験を積みながら、臨機応変に対応できる力を身につけておきましょう!
では今回はイレギュラー対応についてでした。
ご参考になればとても嬉しいです。
ではではこの辺で。
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