みなさん、こんにちはふみです!
さて今回はインコタームズについてお話ししていきます。インコタームズは貿易をする上ではトラブルを回避する為に欠かせない規則ですね。
海外との取引ですから、どちらが輸送のための船や飛行機の運賃を負担するのか、また事故が発生したらどちらの責任なのかを貿易をする上では線引きする必要があるんですね。
さて主なインコタームズは全部で11個あります。
その中のEXW条件について今日はお話ししていきます。
インコタームズの条件は貿易のエキスパートの方達がブログなどで発信している中で、この記事ではインコタームズの基本と荷主が考える各条件の特徴をお話ししていきます。
では今回お話しする内容はこちらです。
1、EXWとは?
どんな費用がかかるの?
どんな危険があるの?
2、荷主目線のEXWの特徴
では早速みていきましょう!
さておさらいもかねてEXWとはどのような条件かといいますと、
工場出し条件のことです。
この条件は、貨物が輸出者の元から離れた時点で、その先にかかる運賃や港の諸費用、保険料など、また事故などによる貨物に損傷が出てしまった場合の責任が全て輸入者に移動する条件です。
貨物が離れた時点でコストも責任も丸投げできるので、輸出者にとってはとても有利な条件ですよね。
ではまず費用面をピックアップしてみましょう。
1、どんな費用がかかるの?
最初に申し上げたように、この条件は輸出者さんの手から貨物が離れた時点で全ての費用と危険の責任が輸入者が移動するものです。
輸入者にとっては、貨物が工場から出荷した時点で全ての責任を受け持つわけですから、輸入をするに当たっての手続きを全て自分たちで行う必要があります。
その手続きというのは何かをざっくり分けますと、工場出荷後のトラックの手配、輸出者側の港でかかる諸費用、船の運賃、自分の国内でかかる港費用、関税などの税金、そして配送トラックの手配を全て手配し、全てのコストを負担しなければいけません。
結構大変な作業ですね。コストもそうですが、トラックの手配など各会社に手続きをしないといけないのはとても面倒な作業です。
ですが、実際は荷主がspotでそれぞれを手配すると言う例はあまりなく、フォワーダーさんという物流の手助けをしてくれる業者さんに頼み、輸入手続きを仲介して貰う事が多いんですね。
フォワーダーさんは国内外のトラックの手配、船の手配から通関まで一貫して手続きをしてくれるので、いつも弊社ではフォワーダさんへお願いをしています。また輸入に慣れていない会社さんは最初はまずフォワーダーさんにお願いしてみましょう。
2、どんな危険があるの?
次に危険面についてお話しいたします。
危険も費用と一緒のタイミングで、輸出者の手から貨物が離れた時点でそれから先の事故は全て輸入者の責任になります。
ここでいう危険というの本船の海難事故のような大きなものだけではありません。
トラック輸送中の事故を始め、港にあるクレーンの操作ミス、手作業による荷物の落下など細かいものを含めるとたくさんあるんですね。
実務では海難事故やクレーンの事故はあまりなく、どちらかというと細かい方のエラーに悩まされる事が多いです。
そのような小さい事故は保険が適用されない事が多く、輸入者が泣き寝入りするパターンが多いことが現状です。あまりにも到着したカートンがボロボロで中の商品がたくさん傷ついていた場合は、輸出者に連絡をとり、輸出者が理解のある人であれば補填してくる場合も多いですが当然断られるケースが多いので、最初から商品は丁寧に扱って欲しいというのを伝えるのと、梱包に力を入れて、カートン自体を強く補強しておくのが大事なんですね。
場所にもよりますが、遠い国からの輸入だと何週間~何ヶ月もかかる事が多いのでその時々で、自分たちの商品を守るため臨機応変に対応しましょう。
3、荷主目船で考えるEXWの特徴
続いてEXWの特徴についてお話しします。
EXWは実は輸入者にメリットになることもあります。
それはEXWで仕入れる商品を見積もりをする際、その商品の単価が安くなるという事です。
海外と取引をする際、例えばある工場から部品用のネジを1万本買うとしましょう。見積もりをする場合は必ずインコタームズの条件を提示して見積もりを行います。
なぜかと言うと、基本商品の単価は輸送代も含めたコスト計算になっているからです。
見積もりや商品の原価についてあんまり知らない方は、ピンとこないかもしれませんが基本的には見積もりで単価を出すときは輸送代も含んだコストになっている場合が多いと覚えておきましょう。ですが、そのようなコストを含めていない会社さんもあるので、企業によって見積もりの出し方は違うという事も注意しましょう。
こちらから見積もりをお願いする際、この取引はFOB条件で見積もりをお願いします。と言う場合とEXW条件の見積もりをお願いします。と言う場合とでは、工場から出される見積もりの単価は違います。
この例だと、EXW条件の単価はFOB条件より若干安い単価で出されるでしょう。
これは単純にFOB条件の場合は、輸出者側の船に載せるまでのコスト分、トラック配送料や通関費用などが単価に反映されているからなんですね。EXWは工場出しなので、輸送費やその他のコストは全く含まれません。
これにより、EXW条件の単価は比較的他の条件に比べ安価なので輸入者にとって少しメリットがあると言うことになります。
そのため、EXW条件の場合はエア輸入に向いている条件でもあります。
少ないロットもしくは大量ロットでもネジのような商品自体がとても小さく、貨物の個数が少ない場合は航空輸送で輸入すると意外にもFOB条件の単価で船経由で輸入する場合よりもコストが抑えられたりする事ができ、さらに飛行機で輸送するため、船と比べて早く納品する事も可能なんですね。
貨物自体の個数が少ない場合は、必ずエアでの輸送を視野に入れてみましょう。
また小ロットの場合は最初からエア輸入で輸送するという事を考えて、EXW条件で見積もりをとる事も頭に入れておいた方がいいかもしれません。
商品によってどの手段を使ってより安価で安全に輸入するかを考える場合は、インコタームズ条件をよく理解する事もとても大切なんですね。
さらにこの条件のいいところは、工場側が輸出作業に頭を取られることはなく、商品を作ると言うことに専念でき、その後の出荷については輸入者の指示を仰ぐだけになり工場はその分、自分の商品生産に対して集中できるメリットもあります。
そうする事により、不良率を少なくしたりより良い商品製作に力をいれるという事も可能なんですね。誰でも不良率は少なくいい商品を作りたいですよね。
以上を踏まえて、輸入者にとってメリットが少ないですが、このように良い点もあるのがこのEXW条件の特徴ということも覚えておきましょう。
以上、今回はインコタームズのEXWについてお話ししていきました。
貿易実務検定でも実務でもとても重要なものなのでしっかりと内容を把握しておきましょう!
では今回はインコタームズEXWについての記事でした。
ご参考になればとても嬉しいです。
ではではこの辺で。
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